相対主義が未確認な理由

一般相対性理論相対主義を前提のひとつとして作られている理論ですが、相対主義についての直接の実験的確認がなされていません。その理由は、重力子と物質が、あまり反応しないためです。

 

20世紀の物理では基本的な力は素粒子が伝える、と考えていて、重力は重力子という粒子が伝える、と考えます。したがって、例えば発車する電車の車内で乗客が「みかけの力」で電車後方に引っ張られる、という現象を一般相対性理論で説明する場合、宇宙全体が作り出す強力な重力場が動くので、そこに重力子が追加で発生し、その重力子が乗客の体に力(みかけの力ではない、本当の実在する力)を及ぼす、という説明になります。

 

ところが、この重力子は物質とあまり反応しません。別の素粒子である光子(電磁気の力を伝える素粒子)は、物質と良く反応し、紙1枚で窓から入ってくる光子をほとんど通さない、ということができます。紙と光子が良く反応しているのです。しかし重力子は紙1枚程度では防げず、例えば消しゴムを持って、その下に紙1枚を挿入しても、下の地球からやってくる重力子は紙をほとんど通り抜けてしまい、消しゴムの重さが減る、ということが起きません。

 

発車する電車の車内空間に大量の重力子が発生する様子を捉えるには、現在あるような「物質との反応で粒子を捉える」というタイプの粒子検出器では、たぶん無理です。誰かが新しい原理に基づく粒子検出器を発明するか、あるいは「もし重力子があるならばこんな事がおこるはずだ」という現象を観測する、ということになると思います。