一般相対性理論が重力の理論になっている理由

絶対主義の言う「みかけの力」を、相対主義では実在する本当の力として説明する必要があります(絶対主義と相対主義については別記事

絶対主義と相対主義 - 素人が書くイイカゲンな物理の話

を参照 )。

 

18世紀、19世紀で相対主義を主張する人たちは「未知の力があって、それがみかけの力である」という説を唱えましたが、そんな未知の力は見つかっていないので、多くの人には受け入れられませんでした。20世紀にアインシュタインは、既知の力としてみかけの力を説明しました。みかけの力は、すべての物体に働きます。すべての物体に働く既知の力、それは万有引力です。一般相対性理論は、ニュートン万有引力の法則を修正し、引力以外の力が発生するようになっています。

 

万有引力の法則:ニュートンの重力理論。引力だけ発生する。

一般相対性理論アインシュタインの重力理論。「引力+アルファ」が発生する。

 

この、引力以外の力(アルファ)が、絶対主義の言う「みかけの力」になっている、というのが一般相対性理論です。

 

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このアルファは、弱い重力の場合は、とても小さいものでなければなりません。なぜなら、地球や太陽の周辺ではニュートン万有引力の法則が大変良く成り立っており、もしアルファが大きいと、一般相対性理論は事実と異なる理論、ということになってしまうからです。

引力以外の力が大きくなるのは重い天体の場合で、一般相対性理論では、重い物体の動きに合わせて引きずるような力が発生するようになっています。

例えば、ブラックホールが回転していれば、周囲の物体をその回転と同期するように動かします。このとき、周囲の物体はブラックホールへ向かう引力と、その引力とは横方向に働く引力以外の力と、2種類の力を受けることになります。

また、中空の均一な球殻(球面上にだけ物があって中身は真空)が大変に重い、という場合、球殻が回転すると球殻内部には、遠心力とコリオリの力に良く似た力が発生します。ここで、万有引力の法則では、均一な球殻が止まっていようが回転していようが、球殻内部には引力しか発生しません。

 

残念な事に、ブラックホールは地球から良く見えるような近くに無いため、上記の効果は未確認です。「本当にブラックホール周辺で一般相対性理論が主張するような力が働いているのか?」は未確認です。

一般相対性理論の基礎方程式からは、色々な計算結果が出てきて、確認されている範囲では計算値と事実(実験結果、観測結果)に大きな食い違いはありません。しかし、相対主義が正しいのか、については「直接的には未確認」だと思います。