原子について

消してしまった記事を思い出しながら、同様の内容の記事を再度、書いてみます。

 

放射線とは、原子核にとって余分な粒子が放出されたものです。その粒子のエネルギーは、化学反応を起こすエネルギーに比べて高いので、「高」エネルギー粒子と呼ばれます。百万倍くらい高エネルギーなものがあり、放射線が細胞に当たると、たんぱく質とかがプツプツ切れるので、多くの細胞は死滅します。しかし傷つきながら生き延びる細胞があり、生き残った細胞のいくつかがガンになります。

 

原子核を作る陽子はプラスの電気を持っていて、いくつかの陽子が集まると電気的には反発力が働きます。この陽子の集まりをくっつける役割をするのが、中性子です。グルーオンという糊(英語でグルー)の働きをする素粒子があって、陽子と陽子、陽子と中性子中性子中性子を、同じ程度の引力でくっつけます。中性子は電気的な反発力は持たないが、グルーオンの働きでくっつく力はある、ということになり、原子核が安定します。

 

・陽子の個数が増えると、安定化に必要な中性子の割合が増加します。陽子2個のヘリウムでは中性子も2個で安定ですが、陽子92個のウランでは中性子が146個必要です。(なぜ、必要な中性子数が増えるのか、は単純には説明できない気がします。複数の原子核モデルが提案されていて、一筋縄では理解できないように見えます。)このウランが分裂してウランより小さい原子核になると、そんなにたくさんの中性子が要らなくなります。この余分な中性子が、放射線の原因です。

 

放射性廃棄物中性子が豊富(ニュートロン・リッチ)な原子核で、自然界には存在しないので、もし有効活用する方法が発見されれば「貴重な資源」扱いに変貌します。昔、考えられた放射性廃棄物の処分方法に次のような案がありました。

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放射性廃棄物をドラム缶につめて、南極に放置する。廃棄物は放射線を出すと同時に発熱もするので、ドラム缶は氷を溶かしながら、自然と岩盤まで到達する。もし、有効活用する方法が見つかったら、ドラム缶を掘り起こす。

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放射線を矢継ぎ早に出す原子核(ラジウムなど)は、強い放射能を持ちます(放射線の量が多い)が、すぐに打ち止めになり(余分な中性子が無くなる)、短期間で放射能が無くなります。反対に、放射線をめったに出さない原子核(プルトニウムなど)は、放射能が弱く、簡単に放射線を遮蔽できます。

放射能が強い ⇒ 放射能がすぐに無くなる ⇒ あまり困らない

放射能が長持ち ⇒ 放射能が弱い ⇒ あまり困らない

 

・困るのが、そこそこ放射能が強くて、そこそこ長持ちな原子核です。それがセシウムストロンチウムで、さらに困ったことに2つ共、水に良く溶けます。(ただし、ヨウ素と違って体内に蓄積しません。蓄積しない点はトリチウムと同じです。)

セシウムストロンチウムのどちらも、放射能は30年で半分、約100年で10%、200年で1%に減少します。

 

・ヨーロッパではアルプスの岩塩の地層(過去数十万年、水が流れたことがないので、塩がある)に埋める計画です。アメリカではネバダ州の砂漠に埋める計画です。日本には、そのような水と縁が無いような場所は無いので、人が管理し続ける必要があります。すると、まだ生まれてもいないひ孫や玄孫に経済的負担をかけるわけで、この「世代間倫理」が放射性廃棄物処理の問題です。

 

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原子核は鉄が最も低エネルギーで、太陽の自然な核融合により水素から作られるのは、鉄どまりです。それ以上の重い原子核超新星爆発で作られます。地球には鉄より重い元素があるので、私の体を作っている物質は過去に何度か超新星爆発を経験しているわけで、そう思うとなんだか不思議な気分になります。

 

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銅の原子の色を計算するとき、相対性理論を考慮しないと銅は鉄と同じ銀色になるそうです。相対性理論を考慮すると金と似た色という計算結果になるそうです。実際の銅の色はほぼ金色なので、相対性理論と矛盾しません。

もし、ニュートン力学が正しいなら、銅の含有量が多い十円玉は、含有量が少ない百円玉と同じ銀色になっているハズです。「十円玉が銀色でない」ということは、ニュートン力学が間違った理論であることを示しています

※より正しく言うと ”原子の世界では” 間違っている、ということです。

 

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原子の内部構造(原子核と電子)が分かっていなかった頃、原子の中について2つの仮説が提案されたことがあります:

1)ほどけない、結び目のようなものではないか

2)流れの中でも安定している、渦のようなものではないか

この2つの案は、現在は素粒子についての案ということになります。特に、結び目がほどけないのは3次元に限るので、もしかすると、それがこの世界が3次元(3方向にしか物が動かせない)である理由なのかも知れません。

今の弦理論が、結び目の生成を考慮していないのは、残念です。結び目ができる事を考えない他に、弦どうしが途中でバッテンのように交差する反応も弦理論では扱わないようで、今後の発展が期待されます。