重力による空間の曲がりの程度

1.1円玉が生む時空への影響の程度について書きます。

 

まず、直径1メートルの円の円周の長さは約3メートルです。細かく言うと3.14xxx メートルで、数学でいう円周率です。

 

この円の真ん中に1円玉(1グラムの物体)を置くと、円周の長さが小数点以下15桁目あたりで、数学でいう円周率よりも小さくなります。

 

上記の「15桁目」というのは、専門用語でシュワルツシルト解というものを使ってのオーダー見積もりです(距離の2乗を表す計量テンソルにおいて、シュワルツシルト半径が30桁なので、距離的には15桁になります)。1円玉の影響で時間の進み方も遅くなるのですが、シュワルツシルト解は時間変化が無い、という場合の解なので、シュワルツシルト解から時間の遅れを見積もることはできません。が、まあ大体そんな桁数の所で時間の進み方が遅くなるでしょう。

 

角度は距離の影響が1乗で効くので、三角形の内角の和も180度から小数点以下15桁前後の所で、180度よりも大きくなります。

 

上記の桁数は重さの平方根が効くので、例えば重さが2桁大きい100gの物体を置くと、2桁の半分の1桁だけ影響が大きくなり、上記で「15桁目」と書いたものが「14桁目」になります。

感覚的にわかるのは、たぶん「2桁目」くらいでしょうから、そのためには影響を15ー2=13桁大きくする必要があり、質量を1グラムの26桁倍大きくする、というトンデモな話になってしまいます。そんな重い物を持ってきたら、太陽系が変形します。

 

2.地球が丸い、事との比較

 

古代ギリシャ人は、沖合からくる船のマストの先端が船本体より先に見えることから、海面が丸い事を知っていたそうです。

地球の丸みは、3.6km進むと1mの高低差を生むので、古代ギリシャ人は4km先の1mの棒が見えたハズです。

これをもっと身近な数字に換算すると2mで0.5mmになるので、2メートル離れた所に0.5mmのシャーペンの芯を1本および2本置いたときに、古代ギリシャ人はどちらが1本で、どちらが2本か見分けられた、ことになります。

 

相対論の効果も、こんな程度に大きかったら、相対論は間違っている、と主張する人が減っていたかも知れません。

 

閑話休題