絶対主義と相対主義

物理での絶対主義・相対主義とは、

「同じものを見ていても、人により見え方が違う」

これをどう考えるか、についての主義主張です。

 

絶対主義では、絶対的に「正しい人」がいて、その人とは違う見え方がするという人は「間違った人」だと考えます。人々を正しい人と間違った人に分けます。

 

相対主義では、絶対的に正しい人はいない、と考えます。すべての人は平等で、すべての人は正しい。どんな見え方であっても、そう見えている人にとって正しい真実である。人による見え方の違いは、お互いに違う、という相対的な違いに過ぎない。どこかに絶対的な基準があって、その基準に合っているか、ズレているか、という問題では無い、と考えます。

 

「絶対的に正しい人」を絶対王政における絶対君主と読み替えると、相対主義は民主主義とか議会制共和国に対応することがわかります。相対主義が出てきた時のヨーロッパの政治の流れが反映しています。

 

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物理法則の形が、絶対主義と相対主義では異なります。

 

絶対主義では、見たままの姿・測定値が、そのまま物理法則になります。物理法則が直感的でわかりやすい。ただし、「見たまま」というときの見ている人は絶対的に正しい人に限ります。

 

相対主義では、見えている姿がそのまま物理法則になりません。もし、見たままを法則にするならば「誰の見え方を採用するのか?」という事になり、全員を平等に扱うという考えに反することになってしまいます。ここで、人によって見え方が違うといっても、同じものを見ているので、何らかの事柄が全員に共通しています。その全員に共通している事柄を、物理法則と考えます。相対主義では、法則が直感的ではありません。